▼ 肛門科とは
肛門を専門に診療する科目のこと

肛門科は外科の一分野として扱われており、外科医が肛門科の診療を兼任することもあります。しかし肛門科はかなり特殊な領域なため、一定水準の治療を行うには、肛門科専門の病院で訓練を積む必要があります。
また受診する方には大腸の病気が見つかることもよくあり、肛門を扱う医師は大腸も診療できる必要があります。そのため最近では大腸肛門科という診療科が増えてきております。
▼ 肛門科の診療内容

主な内容としては、痔・脱肛・肛門周囲の腫瘍、肛門の痛みや痒み、出血・排便の調子が良くないなどが挙げられます。
✓ 痔
痔には、大きく分けると痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろうの3種類があります。
| 痔核 (いぼ痔) |
肛門にいぼ状のはれができる状態 歯状線をはさんで肛門の内側にできるものを内痔核(ないじかく)、外側にできるものを外痔核(がいじかく)と呼びます。 |
| 裂肛 (切れ痔) |
肛門の出口付近が切れたり、直腸肛門部の血液循環が悪くなること 肛門の出口付近の皮膚(歯状線の下にある肛門上皮)が切れることから、「さけ痔」とも呼ばれます。 |
| 痔ろう (あな痔) |
直腸と肛門周囲の皮膚をつなぐトンネルができる痔のこと 痔ろうの主な原因は、下痢等によって肛門の組織に細菌が入り込むこととされています。 |
✓ 脱肛
直腸の下部や肛門の粘膜組織が肛門の外に出てしまうこと
「肛門粘膜脱」とも言います。痔が進行すると脱肛の症状が現われます。
✓ 肛門癌
症状は、しこり、かゆみ、出血、疼痛、粘液分泌、便通異常(便秘、便失禁)などです。稀に症状がなく、鼠径部(そけいぶ)のリンパ節の腫れがみられることもあります。
肛門癌はこれらの症状が原因となる場合が多いですが、軽度のものであっても徐々に進行していくことが特徴です。
出血や膿が出る場合や肛門付近が腫れて痛みがある場合には、非常に危険な状態であると言えます。早めに肛門科へ相談するようにしましょう。


























































