▼ 整形外科とは?
一般的には捻挫・打撲・骨折・腰痛・関節痛を見る科として知られ、頭と内臓以外すべてを見る科のこと

簡単に言うと、一般的には捻挫・打撲・骨折・腰痛・関節痛を見る科として知られ、頭と内臓以外すべてを見る科、それが「整形外科」です。病態の解明と治療法の開発および診療を行う専門領域です。
また、内容は多様で治療の必要な患者数が極めて多いのが整形外科の特徴です。
整形外科の対象 | |
症状 | 運動器官を構成する組織(骨、軟骨、筋、靭帯、神経など)の疾病・外傷 |
部位 | 脊椎(脊柱)・脊髄、骨盤、上肢(肩、肘、手、手指)、下肢(股、膝、足、足指)など広範囲 |
年齢 | 新生児、小児、学童から成人、高齢者まで全ての年齢層が対象 |

▼ 整形外科と形成外科の違いについて
形成外科と言う分野が確立される前、整形外科で生まれつきの多指症やアザなど、見た目の良くない状態の患者を診ることが多くあったため、整形外科から分離して「形成外科学」ができました。
つまり形成外科とは、主にもっと表面の皮膚に近い部分の異常を治療する科です。
形成外科 | |
先天異常 | 生まれつきの体表の形の異常です。 唇裂・口蓋裂(みつくち)、耳の変形、頭や顔の骨の変形などが対象。 |
外傷 | 特に顔面、手指の外傷、植皮手術を必要とするような深い熱傷が中心。 鼻、頬、顎などの顔面骨骨折も形成外科です。 |
腫瘍 | 主に皮膚、皮下の腫瘍を扱います。良性、悪性がありますが、良性の手術が多いのが一般的です。先天異常の、母斑などのあざも良性腫瘍の一種です。 |
美容 | いわゆる美容整形という言葉に代表される美容を主たる目的とする手術です。 手足の指の先天性奇形、指の切断などの外傷など、整形外科と形成外科で扱う疾患が重複します。 |
また、これらのいくつかの科が協力して治療を行うこともあります。
例えば、乳がんの手術は胸部外科が担当し、手術後の乳房再建手術は形成外科が担当したり、あるいは、やけどの治療は皮膚科が担当し、やけどの瘢痕の治療は形成外科が担当したりします。
▼ 整形外科の対象疾患と診療範囲
整形外科は、骨・関節・筋肉・靭帯・腱・神経(脊椎を含む)など、体の運動に関わるすべての器官=「運動器」 を専門的に扱う診療科です。
怪我による急性症状から、加齢や生活習慣による慢性疾患まで幅広く対応します。
主な対象疾患
- ●外傷性疾患
:骨折・脱臼・捻挫・打撲・靭帯損傷など - ●変性疾患
:変形性関節症(膝・股関節など)、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症 - ●炎症性疾患
:腱鞘炎・関節炎・滑液包炎など - ●スポーツ障害
:疲労骨折・野球肩・テニス肘・ランナー膝など - ●小児整形疾患
:O脚、側弯症、先天性股関節脱臼など - ●神経障害性疾患
:坐骨神経痛、手根管症候群、頚椎症性神経根症
診療の主な流れ
整形外科では、まず問診と触診で痛みや可動域を確認し、必要に応じてレントゲン・CT・MRIなどの画像検査を行います。診断の結果に応じて、次のような治療を組み合わせます。
▼ 薬物療法(鎮痛剤・消炎剤など)
▼ 物理療法(温熱・電気・牽引など)
▼ リハビリテーション(筋力回復や関節可動域改善)
▼ 手術療法(人工関節置換術・骨接合術・内視鏡手術など)
受診の目安
- 関節や腰の痛みが長引く・繰り返す
- 手足のしびれ・違和感が続く
- 転倒やスポーツ中のケガで腫れや痛みがある
- 日常動作(立つ・歩く・しゃがむ)がつらく感じるようになった
このような症状がある場合は、早めに整形外科を受診することが大切です。適切な診断と治療を受けることで、早期回復や再発防止につながります。