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整形外科が扱う外傷の種類

更新日2023.07.25

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人体の損傷である外傷の原因には、体の外から物理的なエネルギーが加わることによるものです。整形外科は運動器の疾患を扱いますが、外傷の原因にはスポーツでの傷害や交通事故等の外傷、労働災害(労災)などがあります。また日常で起こる切創や挫創、関節損傷なども整形外科が扱います。

ここでは、整形外科が扱う外傷の種類について紹介しています。

Contents
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▼ 外傷とは

外から力が加わり人体の組織や臓器が損傷すること

外傷とは

外傷は一般的に怪我(ケガ)と呼ばれます。外から加わる力のことを外力と言いますが、外力には機械的・物理的・化学的なことが含まれており、外傷は外的要因による損傷全てを指しております。

外傷はすべて目視可能な損傷であるとは限りませんが、概ね損傷した患部に切り傷や腫れなどの変化が見られるようになります。

また外傷すべてが整形外科で扱われるわけではなく、一般的に心臓や肺の損傷であれば心臓血管外科、腹部外傷などの臓器外傷は、腹部外科肝臓外科など、頭部や顔面の損傷は形成外科と、外傷でも損傷個所や状態で扱う診療科は異なり、重複することもあります。

▼ 外傷の原因

外傷の原因

外傷の原因として最も多く遭遇するのが日常生活での外傷です。料理をしている最中に指を切ってしまったり、つまづいて転倒した際に怪我をしてしまったり日常生活ではよく見られる光景です。

外傷の原因は様々なものがありますが、大きく分けると以下の4つに分けられます。

スポーツ外傷・障害

スポーツ外傷・障害

スポーツには格闘技や球技、陸上競技などがあります。年齢別に見ると小学校高学年が多く、手指の突き指や足・膝関節の捻挫の割り合いが多いようです。

理由としては活発に動き回る年齢層であり、スポーツに精通する前段階であることが挙げられます。スポーツのなかでも球技中の発生が多く、球技全体ではバスケットボールが圧倒的に多いと言われております。

交通外傷

交通外傷

交通外傷で特に多いのが、交通事故になります。なかでも自転車での事故は最も多い交通事故です。

交通事故は受傷時にかかるエネルギーが思いのほか大きく、目に見える外傷以外にも精神的ストレスにより様々な症状が現れやすく、症状が長引きやすい特徴があります。

交通事故では、主に捻挫・打撲・挫傷・骨折・脱臼などがあり、むち打ちはすぐに判断することが難しく、2,3日後に痛みとして現れることが多いです。

労働災害(労災)

労働災害(労災)

労働災害は、労働者が通勤または勤務中に被る負傷・疾病・死亡などを指します。

近年ではストレス性の精神疾患や長時間労働による過労死なども労働災害として認定されております。

労働災害は正社員だけでなく、パートやアルバイト等も含まれます。すべての業種のなかでも製造業による労働災害が多く、挟まれ・巻き込まれや転倒による外傷が特に多いと言います。

日常生活外傷

日常生活外傷

一般的に最も多い外傷が日常生活での怪我になります。軽傷のものから重症のものまで多岐にわたりますが、転んで擦りむいたり包丁で指を切ったりしてしまうことや、熱傷(やけど)は日常最も多く遭遇します。

熱傷の原因には熱湯や高温の油が最も多く、小児の場合は炊飯器からの水蒸気やアイロン・ストーブなどが挙げられます。

亜急性外傷とは

亜急性外傷とは

亜急性とは、外からの影響が反復または継続して与えられることで損傷が起こることです。

例えば筋組織に繰り返し力が加わることで外傷となる打撲や捻挫などがあります。スポーツで見られることが多く、野球ではボールを投げすぎて肩や肘に負担がかかり続けて肘関節を痛めてしまうことがあります。

根本的原因は使いすぎによるものになります。

外傷の種類

切創(せっそう)

切創とは、体の表面を包丁やカミソリなど鋭利なもので切られた直線状の傷のことです。一般には切り傷と呼ばれております。

挫創(ざそう)

挫創とは、皮膚に外力が加わり皮膚表面が断裂することです。似た言葉で挫傷(ざしょう)がありますが、挫傷は、皮膚表面は断裂せず内出血や内部組織に傷害が起きることを指します。

打撲(だぼく)

打撲とは、衝突や転倒などの強い衝撃により筋繊維や血管が損傷することです。打撲は打ち身とも呼ばれており、スポーツでは選手同士が接触する際に多く発生します。

捻挫(ねんざ)

捻挫とは、足首・手首・指などの関節をひねって痛めてしまうことです。骨にヒビが入った状態や欠損してしまった状態も骨折に含まれます。骨折による痛みは、正確には骨の周囲にある骨膜の神経が刺激されることによるものです。

骨折(こっせつ)

骨折とは、骨が折れてしまった状態のことです。一般には切り傷と呼ばれております。

脱臼(だっきゅう)

脱臼とは、関節を形成している骨が完全に離れることです。脱臼を放置してしまうと元に戻すのが難しくなり、麻酔をかけて整復しなければならないことがあります。脱臼した場合はすぐに医師の治療を受けることが大切です。

関節損傷(かんせつそんしょう)

関節損傷とは、何らかの原因で関節が損傷を受けてしまう病気のことです。主な原因は捻挫や脱臼が多いものの、原因不明の関節損傷もあります。

脊髄損傷(せきずいそんしょう)

脊髄損傷とは、骨折や脱臼が原因で脊髄にまでダメージが及ぶことです。脊髄損傷は、手足の麻痺や感覚障害、排尿排便障害、呼吸障害、血圧調整障害などを生じます。

開放骨折(かいほうこっせつ)

開放骨折とは、骨折した際に皮膚が破れて骨が外に露出してしまうことです。骨が体外に出てしまうことで雑菌による感染症を引き起こす可能性があるため、速やかに治療をする必要があります。

指・肢切断(ゆび・あしせつだん)

指・肢切断とは、刃物や機械などで指や肢が切断してしまうことです。切断は皮膚だけでなく骨や腱、骨、神経など組織の断裂も伴うため、早急な血行再建が必要です。

外傷予防

外傷予防

外傷予防とは、怪我を未然に防ぐための能力を身につけることです。怪我の原因になる可能性のある環境を整える(危険因子を取り除く)ことも含まれます。

予期せぬ外傷は少なからず起きてしまうものですが、将来起こる可能性のある望ましくない事態に対して事前に知識や心構えを知っておくことが重要です。

予防の考え方としては、一次予防・二次予防・三次予防があります。

一次予防:怪我をしないための能力を身につける学習活動。

二次予防:怪我の早期発見と早期治療。

三次予防:怪我の継続治癒および合併症の予防。社会復帰の促進。再発予防。

まとめ

まとめ

外傷(怪我)は起きないに越したことはありませんが、想定外のことは一生のうちに何度か訪れると思われます。遭遇した際の対応次第では、外傷部分を軽減させることも可能です。

外傷を予防するためにも身体づくりと基礎知識を身につけることが大切です。

外傷は損傷した部分や原因、規模によりそれぞれ診療科が異なり、複数の診療科を行き来することも珍しくはありません。

外傷のほとんどは整形外科の疾患であるため、外傷の際は、はじめに整形外科で診てもらうと良いでしょう。