▼ 包帯とは
包帯の用途は、止血のほかにも患部に直接巻いて固定したり、負傷した腕を吊ったり、捻挫や骨折部分にあてられた添え木を固定したりする役割にも使われます。
また、止血や固定以外にも、伸縮性のある弾性包帯を負傷予防として使用することもあります。
例としては、ボクシングや総合格闘技などに見られるような、ナックルパート(握った拳の第二関節と第三関節の間の平らな部分)辺りや、手首に巻きつけて使用しています。
このように創傷、捻挫、骨折などの傷病治療や予防を目的とした装着方法を包帯法といいます。
▼ 基本的な包帯の巻き方と注意点
基本的に、包帯の巻きはじめと巻き終わりは、包帯のズレを予防する目的の環行帯で巻きます。
環行帯とは
同じ箇所を環状に巻いていく方法のこと
環行帯
注意する点は、
☑ 患部を基準に、心臓から離れている方から巻きはじめる
☑ 血流を阻害(圧迫)しないように転がすように巻く
☑ 引き出した包帯の内側が上に見えるようにして巻く
☑ 巻き終わりは内側に折り返してから留める
☑ かぶれなどを防ぐため、包帯内で皮膚と皮膚が接触しないように巻く
☑ 屈伸する関節部分の可動を妨げないように巻く
☑ 創傷部の止血の場合は、滅菌された包帯材料を使う
▼ 部位別の包帯の巻き方
巻き終わりまで、親指は伸ばした状態で巻いていきます。
指先を覆うときに、包帯がずれないように巻くことがポイントです。
関節の部分は、軽く手のひら側(内側)に曲げた状態で巻いていきます。
包帯を 1/2~ 2/3重ねながら、螺旋帯という方法で巻いていきます。
膝は軽く曲げてもらった状態で、亀甲帯という方法で巻いていきます。
亀甲帯には、関節に向かって巻く集合亀甲帯と、関節から外側に向かって巻く離開亀甲帯の2つがあります。 ※イラストは集合亀甲帯
包帯を8の字に交差させながら巻いていく、麦穂帯という方法で巻いていきます。
足首の角度を90度にした状態で巻いていきます。
足の指が曲がらないように巻くことがポイントです。
脇の下の神経を圧迫しないように巻くことがポイントです。
部位別の包帯の巻き方を紹介しましたが、応急手当を終えたあとも、患部の状態や関節の可動域の状態、循環系の障害など、包帯の巻き方に問題がないかを必ず確認するようにしましょう。