胃バイパス手術について最低限知っておくべき3つのこと

胃バイパス手術について最低限知っておくべき3つのこと

最終更新:2021年12月15日

肥満症・メタボリックシンドロームは世界的に流行するようになり、日本ではBMI25以上を肥満と呼んでおります。肥満が原因の健康障害は数えきれないほど多く、中でもメタボリックシンドロームとして代表的な糖尿病高血圧心筋梗塞などのほか悪性腫瘍(がん)にもかかりやすくなると言われております。

ここでは、肥満症や糖尿病に効果があると言われている胃バイパス手術について紹介しています。

Contents
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▼ 胃バイパス手術とは?

胃から小腸へのルートを変更(バイパス)して食事摂取量や栄養吸収を制限する手術のこと

胃バイパス手術とは?

胃バイパス手術は、ルーワイ(Roux en-Y)胃バイパス術とも呼ばれ、アメリカでは最も多く行われている手術方法です。主に病的肥満が手術適応であるほか、糖尿病の改善効果が高いことも分かっており、肥満を合併した糖尿病患者に有効であると言われております。

胃バイパス手術は、胃を上部の小さな袋と下部の大きな袋に分けて小腸を切断します。

胃上部の小袋ができることで意図的に満腹感を与え、食事量をコントロールしていきます。また小腸の長さを変えることで、過度な栄養の吸収を制限することができると言われております。
ただし日本人は胃がんの頻度が高く、胃下部は検査ができなくなるため、アメリカで多く行われている術式ですが、日本では違う方法の胃切除術が一般的になっております。

▼ 他にもある胃切除術(いせつじょじゅつ)

スリーブ胃切除術 (袖状胃切除術)

スリーブ胃切除術は、胃の外側の大部分を切除して細長い筒のような形状にすることで胃の体積を減らし、食事摂取量を制限する術式です。

現在日本で最も多く施術されておりますが、胃を切除するため元に戻すことができません。

腹腔鏡下のスリーブ胃切除術は、2014年4月より保険診療として承認されております。

スリーブバイパス術

スリーブバイパス術は、スリーブ胃切除術同様に胃を切除して、さらに小腸をバイパスすることで吸収も制限する術式です。

日本では糖尿病の改善を期待する術式として一般的になりつつあるようです。

胃バンディング術(胃緊縛法)

胃バンディング術は、名前の通り胃の上部にバンドを巻いて締め付けて胃を2つに分ける術式です。

腹腔内にバンドの締め付け方を調整できる器具を埋め込むのが一般的で、再度手術でバンドを外せば元の状態に戻るのが特徴です。

胃内バルーン挿入術 (留置術)

胃内バルーン挿入術は、折り畳まれたバルーンを内視鏡下で膨らませることで、食事の摂取量を減らす効果を見込む術式です。

胃内バルーン挿入術は、内科的治療と外科的治療の中間に位置しております。挿入されたバルーンは最大6ヵ月間の留置が可能で、再度内視鏡下で取り除きます。

バルーンが未承認器具のため、保険が適応されず費用は全額自己負担となります。

▼ 最低限知っておくべき3つのこと

胃パイパス手術で糖尿病が治る!?

胃パイパス手術で糖尿病が治る!?

糖尿病の治療は、栄養指導や運動指導からはじまり、改善が見られなない場合は、内服薬やインスリン注射に頼る内科的治療が一般的です。

一方で重度の肥満を合併した糖尿病患者には、胃パイパス手術が効果的であると言われております。

術後の消化管ホルモンの分泌量の変化や、胆汁酸の増加、腸内細菌叢の変化などにより、血糖値が下がり、内服薬やインスリン注射を必要としないようになるからだと言われております。

胃バイパス手術の間違った認識

胃バイパス手術の間違った認識

胃バイパス手術は、誰もが簡単に受けられるものではありません。日本肥満症治療学会のガイドラインによりますと、年齢は18歳から65歳までの原発性(一次性)肥満であり、内科的治療を受けるも十分な効果が得られず、BMIが35以上の方あるいは、併存疾患治療※が主目的でBMIが32以上の方となっております。

ガイドラインは各病院で異なりますが、保険診療の腹腔鏡下スリーブ状胃切除は、BMIが35以上であることが条件になります。
従って胃バイパス手術は、ダイエット目的等で誰でも行える手術ではありません。

※併存疾患治療…糖尿病、高血圧、脂質異常症、肝機能障害、睡眠時無呼吸症候群など

副作用について

副作用について

術後の副作用についてですが、胃バイパス手術は内ヘルニアが起こる可能性が高くなると言われております。

他にも考えられているものでは、腹腔内の臓器損傷、腹腔内や傷の感染、腹壁瘢痕(ふくへきはんこん)ヘルニア、再出血、腎機能障害・肝機能障害などがあります。

また後遺症については、逆流性食道炎や栄養障害、ダンピング症候群、脱毛や皮膚のたるみが見られることがあります。

入院期間と費用について

入院期間と費用について

入院期間は術式や経過観察状況にもよりますが、1〜2週間程度になると言われております。食事はしばらく流動食や栄養剤になります。脱水予防のため水またはお茶を2リットル近く飲むことを心がけます。入院期間中は可能であれば軽い運動も行います。

費用については、一般的に200万円前後すると言われております。健康保険が適用されるスリーブ胃切除術においては、50万円前後と言われております。

まとめ

まとめ

胃バイパス手術について紹介しましたが、手術を受けて必ずしも糖尿病が良くなるとは限らないことが分かっております。理由としては、重度の肥満を合併していないことや、バイパスされる小腸の長さの違いがあると言われております。

また胃バイパス手術で糖尿病が改善されても、再発することもあると言います。これはリバウンドが原因と考えられております。術後も専門医のサポート等で体重を管理することが大切です。

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