肝臓に発生する悪性腫瘍の一つです。
肝がん(肝臓がん)は、肝臓からできるもの(原発性)と他の臓器のがんが移ってきてできるもの(転移性)の2つに分けられます。
肝臓からできるもの(原発性) | |
肝細胞がん (原発性肝がんの約95%) |
肝細胞がんはC型肝炎やB型肝炎の患者さんなどに起きやすい 大量の飲酒によって起きやすい 飲酒と関係なく脂肪肝などによってできることがある |
肺癌、胃癌、大腸癌についで4番目に多い癌 男女比は4:1で男性に多い |
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肝内胆管がん | |
他の臓器のがんが移ってきてできるもの(転移性) | |
転移性肝がん | 血液の流れが豊富なため、他の臓器のがんが血液の流れに乗って移ってくる、いわゆる“転移によるがん”(転移性肝がん)が起きやすい |
【肝細胞癌の特徴】
他の悪性腫瘍と異なり、ほとんどの肝細胞がんは肝硬変の合併(85%)、ウイルス性(B、C型肝炎)の慢性肝炎、多中心性発癌、早期からの血管浸潤、進行癌については動脈支配などの幾つかの特徴があります。
【肝細胞癌の原因】
肝細胞がんの最大の原因はC型肝炎ウイルスで、70%弱を占めています。
B型肝炎ウイルスを含めると、肝炎ウイルスによって発生する肝細胞がんの割合は90%にもなります。
また、肝細胞がんが発生する元にはほとんどの場合、慢性の肝障害が存在します。この慢性の肝障害をきたす原因として、(肝炎ウイルス以外では)アルコール多飲、脂肪肝などがあります。
【肝細胞癌の症状】
肝細胞癌のほとんどは無症状です。
一般的な自覚症状については肝細胞癌によるものではなく随伴する慢性肝障害の症状が主となります。肝細胞癌の早期発見の為に、定期検診がお勧めです。
ただし、がんの進行に伴い、肝臓の正常部分が減ってくると肝機能の低下を引き起こし、それに伴う症状がでてきます。また、肝細胞がんの元である肝硬変が進行して肝機能の障害が進み、症状がでてくることもあります。
肝細胞がん自体の症状 |
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肝硬変による症状 |
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【肝細胞癌の治療法】
肝切除 TAE(肝動脈塞栓術) TAI(肝動脈内抗癌剤注入法;肝動注) PEI(腫瘍内エタノール注入) マイクロ波(MCT) ラジオ波焼灼療法(RFA) 肝移植 肝動脈化学塞栓療法(TACE) 薬物療法(ソラフェニブ) 肝動注化学療法