最終更新日:2021年2月5日
院内感染は、患者が原疾患とは別に新たに感染してしまう場合と、医療従事者等が医療機関内において感染した場合が定義されております。
院内に滞在する前に病原体に感染して発病した場合は市中感染となります。
市中感染は日常の中で、通勤途中や人通りの多い繁華街などでの接触などで起こります。
院内感染を防ぐには、感染性のある患者や職員を早期に見つけて隔離することが重要です。
しかし新型コロナウイルスの場合は早期発見が非常に難しく、無症状の場合も見られるため、そのまま医療施設に入られてしまうとクラスター(患者の集団)を生み出すきっかけを作ってしまいます。
新型コロナウイルスは、無症状の患者や医療従事者等とともに病院内に簡単に入り込めてしまいます。
病院内に入る前にPCR検査で保菌者であるかを確認しておく必要がありますが、検査は100%正確であるとは限りません。それでも日本のPCR検査は陰性(偽陰性)と判定されてしまうこともありますが、かなり精度は高いものと考えて良いと思います。
しかしウイルスは目に見えるものではありません。新型コロナウイルスだけでなくその他のウイルス感染者も多く訪れているため、院内感染が起きてしまうリスクはどうしても高くなってしまいます。
また病院は薬剤耐性菌が多く生息しているという点で、感染症が発生しやすい危険な場所であるとも言えます。
これは新型コロナウイルスに限らず、他の疾患や免疫抑制剤投与などにより、免疫が低下した人も多く存在しているからです。
さらに注射や手術などの医療行為の場合は、体内に病原体が侵入するリスクが伴うため院内での感染は極めて高い環境であることが言えます。
院内感染を防ぐには、これらのリスクを極力減らすようにしなければなりません。
感染症の発生を事前に防止(prevention)し、発生した感染症をさらに広げない(control)ようにすることが重要です。
特に新型コロナウイルスの場合は、マスクをしない近距離での会話や複数での飲食は避けるべきであり、医療従事者のみならず患者にも手指衛生の徹底をする必要があります。