線維筋痛症症候群とも呼ばれ、「FM」と略されます。
線維筋痛症は、未だ解明されていない疾患です。脳神経や中枢神経の異常から、痛みを増幅させているのではないかと考えられています。
発症原因は、肉体的・精神的ストレスや事故、手術等が引き金となっているのではないかと言われています。
目に見える症状は一切なく、本人には全身や広範囲に痛みを感じます。またある部分だけが痛むこともあります。
痛みには、軽度のものから激痛まであり、耐え難い痛みであることが多いです。痛みの部位が移動したり、天候によって痛みの強さが変わったりすることもあり、日常生活に支障をきたします。
非常に重症な場合は、爪や髪への刺激、温度・湿度の変化、音などでも激痛が走ることもあり、横になっていても、痛みが和らぐことがありません。
重症化してしまう前に、早めに受診して対策することが必要です。
線維筋痛症は男性よりも女性に多く、中高年の方に多い病気です。そのため、自律神経失調症や更年期障害、不定愁訴など他の病気と診断されることも少なくありません。
現在人口の1.66%、約200万人の患者がいるのではないかと、疫学的に発表されています。
近年になり、薬物治療を中心に進めるものの、薬物治療だけでは限界があります。
薬物療法は抗うつ薬と抗けいれん(てんかん)薬が主に使用される薬剤です。
一方で、急性の痛みなどにしばしば使われる消炎鎮痛薬や副腎皮質ステロイドは効果がなく、非薬物療法として鍼灸療法、マッサージ、リラクゼーション、ヨガ、気功などを含めた補完医療も大きな効果は見込まれておりません。
線維筋痛症の治療目標は、痛みを完全に取り除くことはできません。
現代医療においては、痛みやその他の自覚症状の緩和をはかり、病気発症で失った生活機能の改善を目指すことしかないでしょう。