膵臓がんとは、膵臓から発生する悪性腫瘍のことです。
膵臓がんは、早期発見が非常に困難であり、がんの進行がとても早い病気です。
高齢の男性に多く見られ、厚生労働省の統計でも日本の膵臓がん死亡者数は、毎年2万人以上おり、増加傾向にあります。
膵臓がんの特徴は、膵臓を形成しているどの組織からでも発生します。また組織ごとに異なる性質の腫瘍であることも特徴的です。
膵臓がんは、大きく分けると外分泌系と内分泌系に分けられます。ほとんどの場合、外分泌系から発生します。
膵臓がんの症状は、初期症状がほとんどありません。がんが進行するにつれ、腹痛や食欲不振、腰や背中の痛み、急激な体重の減少などが見られます。
症状は、膵臓がんの組織ごとで少し異なります。
・膵頭部上部の場合…皮膚や粘膜が黄色になる黄疸(おうだん)
・膵頭部中央の場合…黄疸や腹痛
・膵頭部下部の場合…黄疸が見られない腹痛
他にも糖尿病を発症することもあり、症状のどれを取っても、膵臓がん以外でも起こりうるため、膵臓がんを特定することは極めて難しいといえます。
膵臓がんの原因は、遺伝によるものや膵炎(すいえん)、糖尿病、生活習慣があります。
慢性して膵臓が炎症を起こす場合は、膵臓がんを引き起こしやすいといわれます。そうでない方も、膵臓がんが原因で、慢性的に膵臓が炎症してしまう危険性もあります。
また、糖尿病を患っている方は、健康な人に比べ、膵臓がんのリスクがおよそ2倍近くあるという結果も出ています。糖尿病のなかでも2型糖尿病の方は、他の糖尿病患者よりも膵臓がんリスクが高いともいわれています。
生活習慣が密接にかかわっており、普段の生活のなかで喫煙や暴飲暴食、ストレスがない方が、健康診断などで異常な血糖値が出た場合は、消化器系の専門医に相談しましょう。
すべてのがんに共通しますが、生活習慣を見直すことが大切です。暴飲暴食を避け、適度な運動をし、睡眠不足などストレスをためないことががん予防の第一歩です。
食生活においては、栄養バランスのとれた食事をこころがけましょう。炭水化物や肉類、脂質に偏りすぎないようにすることで、膵臓がんリスクを減らすことができます。
✓ 膵臓がん予防に良いとされる食べ物はある?
緑黄色野菜が良いといわれておりますが、科学的に証明されているわけではありません。健全な生活習慣と定期的ながん検診を続け、リスクを回避する行動をしましょう。
また、食事をする順番としては、野菜から先に食べると血糖値の急上昇を制御できますので、結果的にがん抑制にもつながります。
さらに体内の腸内細菌を活性化することでも、血糖値の急上昇を抑える働きがあるため、納豆や糠漬けのような発酵食品もお勧めです。