陰茎の皮膚や組織内に発症する悪性腫瘍のこと
主に亀頭や包皮から発生します。
日本の罹患率は、人口10万人に対し、1人未満の発生頻度と報告されており、男性の悪性腫瘍のなかでは稀ながんといわれております。
南米や一部のアジアの国では、罹患率は10万人に10〜20人と比較的高いことも特徴として挙げられます。
発生部位は半数が亀頭部で、次が包皮といわれています。
発症年齢は、高齢者に最も多くみられ、患者の多くは包茎を合併していることも特徴です。
症状としては、湿疹のように皮膚が赤くなりはじめたり、周囲が隆起した深い潰瘍が見られます。
湿疹と思い、外用薬をつけてもなかなか改善しない場合には、泌尿器科専門医の診察を受けるようにしましょう。
陰茎がんは、進行すると鼠径リンパ節に転移し、全身に倦怠感や体重減少を示すこともあるといわれています。
陰茎がんは、ヒトパピローマウイルス感染の関与が示唆される症例が増えており、性行為感染症が何らかの関与をしていることが推測されています。
他にも陰茎がん患者に多く見られるのが、包茎を合併していることであり、陰茎や亀頭を清潔に保つことが難しいために陰茎がんの発生リスクが高くなるといわれています。
また、喫煙者の陰茎がんの発症リスクは、非喫煙者の3〜4倍高くなるとされています。
陰茎がんに対する効果的な予防方法はないといわれています。
リスクを回避するために、包茎を患っている場合は、陰茎や包皮をきれいに清潔にしておくことを心がけるようにしましょう。
もし陰茎部に腫瘤や潰瘍が見られる場合には、陰茎がんの疑いの可能性もあります。放置せずに、すぐに医師の診察を受けるようにしましょう。