甲状腺組織中に発生する悪性腫瘍のこと
甲状腺がんは、分化がんと未分化がんにわけられ、分化がんは更に3つのタイプに分けることができます。
✓ 乳頭がん
✓ 濾胞がん
✓ 髄様がん
乳頭がん(にゅうとうがん)とは…
最も一般的なタイプの甲状腺がんで、甲状腺がんの9割近くがこの種類に分類されます。
がん細胞が「乳頭」のような形をしていることから、この名前がつけられました。
濾胞がん(ろほうがん)とは…
甲状腺がんの1〜2割程度がこの種類に分類されます。
血行性転移を示し、肺などへの遠隔転移が多いが、進行速度は遅いといわれています。
髄様がん(ずいようがん)とは…
甲状腺がんの発症頻度は、1〜2%程度と少なく、多発性内分泌腺腫症として出現することが多いです。
未分化がん(みぶんかがん)とは…
甲状腺がんの発症頻度は、2〜3%程度と少なく、乳頭がんや濾胞がんから転移してできたものと考えられています。
すべての悪性腫瘍の中でもっとも予後不良とされております。
甲状腺がんの特徴は、甲状腺がこぶのように腫れてきます。他の種類のがんに比べ、圧倒的に女性に多くみられます。
また発症年齢は、20代の若年層から高齢層まで幅広く分布しています。
甲状腺がんの症状は、頸部にしこりができることが多く、手で触れてわかる程度です。
稀に痛みや、声のかすれ、食事の際に飲み込みにくさを感じることがあります。
甲状腺がんの原因は、はっきりと断定できるものがありません。いくつかの報告はありますが、現段階では立証までには至っておりません。
いくつかの報告のなかには、他の部位からの転移で発症するものや、遺伝子変異が原因ではないかという報告もなされています。
他にも、放射能による汚染地域周辺の住人に甲状腺癌の患者が多発したことから、放射性ヨウ素に誘発されることも考えられています。
甲状腺がんは、明確な部分が少ないため、他のがんにも共通する生活習慣の改善からはじめることが予防の第一歩と考えられています。
喫煙者は禁煙し、喫煙しない人は、たばこの煙を避けることを心がけましょう。
また偏った食事や、運動不足もがんを引き起こす原因となるため、一般的な事ではありますが、定期的な健康診断を受け、診断結果をもとに、生活習慣を整えることが予防への近道だといえます。
各市区町村でもがん検診を行っておりますので、身体の異常が出る前に、受診することをお勧めします。