子宮がんとは、子宮に発生する悪性腫瘍のことです。
子宮がんは、腫瘍の場所により2つに分けられます。
子宮頸部(子宮の出口)にできる悪性腫瘍を子宮頸がん、子宮体部にできる悪性腫瘍を子宮体がんと呼びます。
他にも、子宮に発生する悪性腫瘍に以下のものがあります。
・子宮肉腫…子宮の筋肉組織や支持組織に発生する悪性腫瘍
・絨毛がん…絨毛という胎盤組織に発生する悪性腫瘍
・胞状奇胎…受精時に異常な受精卵または胎盤組織が過剰に増殖した状態
子宮がんと認識されがちな、子宮頸がんと子宮体がんは性質が全く違います。
それぞれの特徴と症状は下記の表を参照してください。
発症までの経緯 | 初期症状 | 発症が比較的多い年齢 | |
子宮頸がん | 性交渉の経験があれば発症リスクがある | ほとんど症状がない | 20〜40歳代 |
子宮体がん | ホルモンバランスや代謝などが影響する | 9割の方に不正出血などがある | 40〜60歳代 |
子宮頸がんの約9割は、性交渉で感染するHPV(ヒューマンパピローマウイルス)が原因と言われています。
感染後の9割の方は、自然に治ると言われていますが、1割の方は子宮頸がんのリスクがあると言われています。
子宮頸がんの一番の予防方法は、定期的に検診を受けることです。
厚生労働省では、20歳以上の女性に対して2年に1度の子宮頸がん検診を推奨しており、早期に発見されやすく、進行前に治療することができます。
他にも、子宮頸がん予防ワクチンで発症を防ぐことが期待されています。
子宮体がんは、卵巣ホルモンのバランスが崩れることが原因と言われています。
卵巣の機能低下により、周期的な排卵が起こらなくなることで、子宮内膜にエストロゲンが過剰な状態になります。
※エストロゲンとは
ステロイドホルモンの一種であり、乳腺細胞の増殖促進や卵巣排卵制御などの働きがある女性ホルモンのこと
卵巣の機能低下は、精神的、肉体的ストレスが増加することに影響されており、最近は30代の若い人にも増えてきています。
子宮体がんの予防方法としては、こちらも定期的な検診が有効です。
特に不正出血があったときには、子宮体がんの検診を受けるようにしましょう。
他にもホルモンバランスを整えることが、子宮体がんの予防につながります。
適度な運動や適正な体重の維持、睡眠不足などでストレスをためないようにしましょう。