運動器官を構成する組織(骨、軟骨、筋、靭帯、神経など)の疾病・外傷を対象としているのが整形外科です。
整形外科の対象 | |
症状 | 運動器官を構成する組織(骨、軟骨、筋、靭帯、神経など)の疾病・外傷 |
部位 | 脊椎(脊柱)・脊髄、骨盤、上肢(肩、肘、手、手指)、下肢(股、膝、足、足指)など広範囲 |
年齢 | 新生児、小児、学童から成人、高齢者まで全ての年齢層が対象 |
簡単に言うと、一般的には捻挫・打撲・骨折・腰痛・関節痛を見る科として知られ、頭と内臓以外すべてを見る科、それが「整形外科」です。病態の解明と治療法の開発および診療を行う専門領域です。
また、内容は多様で治療の必要な患者数が極めて多いのが整形外科の特徴です。
形成外科と言う分野が確立される前、整形外科で生まれつきの多指症やアザなど、見た目の良くない状態の患者を診ることが多くあったため、整形外科から分離して「形成外科学」ができました。
つまり形成外科とは、主にもっと表面の皮膚に近い部分の異常を治療する科です。
形成外科 | |
先天異常 | 生まれつきの体表の形の異常です。 唇裂・口蓋裂(みつくち)、耳の変形、頭や顔の骨の変形などが対象。 |
外傷 | 特に顔面、手指の外傷、植皮手術を必要とするような深い熱傷が中心。 鼻、頬、顎などの顔面骨骨折も形成外科です。 |
腫瘍 | 主に皮膚、皮下の腫瘍を扱います。良性、悪性がありますが、良性の手術が多いのが一般的です。先天異常の、母斑などのあざも良性腫瘍の一種です。 |
美容 | いわゆる美容整形という言葉に代表される美容を主たる目的とする手術です。 手足の指の先天性奇形、指の切断などの外傷など、整形外科と形成外科で扱う疾患が重複します。 |
また、これらのいくつかの科が協力して治療を行うこともあります。
例えば、乳がんの手術は胸部外科が担当し、手術後の乳房再建手術は形成外科が担当したり、あるいは、やけどの治療は皮膚科が担当し、やけどの瘢痕の治療は形成外科が担当したりします。