医療現場を支える臨床検査技師の仕事が人気になる理由

医療現場を支える臨床検査技師の仕事が人気になる理由

最終更新:2021年6月25日

臨床検査技師は国家資格を取得していなければ働くことができない職業です。日本社会の高齢化に伴い予防医学の重要度が増しており、検査のスペシャリストである臨床検査技師の需要は高まっております。

ここでは、臨床検査技師の仕事内容や将来性についてなどを踏まえて、人気になる理由を説明していこうと思います。

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▼ 臨床検査技師(りんしょうけんさぎし)とは?

主に病院などの医療機関において臨床検査を行う技術者のこと

臨床検査技師(りんしょうけんさぎし)とは?

臨床検査技師は、患者さん体の機能・細胞・組織などに異常がないかどうかを検査します。

病院などの医療機関では、なくてはならない存在であり、多岐にわたる検査内容を熟知し、医療機関などで非常に重要な役目を果たす検査のスペシャリストです。

臨床検査技師の資格制度は、1970年から施行された比較的新しい資格です。
現在病院に勤める臨床検査技師の数は、2008年12月31日の厚生労働省のデータでは、約6万人いると発表されております。

病院に勤める医療従事者には、様々な職種の方がおりますが、臨床検査技師は医師や看護師に次いで多い医療職種となっております。

現在の医療では、各専門医療の医師やそれをサポートする各種医療従事者で構成される医療チームが患者を支えております。
臨床検査技師もその重要なスタッフの職種であり、医師は患者さんの訴える症状や臨床検査技師が行う検査データの根拠に基づいた医療を行います。

臨床検査技師は、言わば医療(患者)を支える縁の下の力持ち的な存在です。

▼ 臨床検査技師になるには?

臨床検査技師になるには?

臨床検査技師は医療を支える職業のひとつですが、医療関係の仕事であることから人助けができる仕事としても人気の職業です。

最近では予防医学が注目されており、健康診断で血液検査や心電図、超音波検査を行っているのが臨床検査技師です。

資格取得方法

臨床検査技師になるには、臨床検査技師国家資格を取得する必要があります。

国家試験を受験するには、高校卒業後に以下のいずれかの教育機関を修了しなければなりません。

・臨床検査技師養成課程のある4年制大学

・3年制の短期大学か専門学校で所定の過程を修了

それぞれの過程を修了すると国家試験の受験資格を得ることができます。

試験科目は医用工学概論・病理組織細胞学・臨床生理学・臨床化学など、化学・生物に関する幅広い分野から構成されております。

2020年に実施された国家試験では、合格率は71.5%となっております。

※試験に関する詳しい情報は臨床検査技師国家試験の施行|厚生労働省でご確認ください。

就職状況

就職状況

毎年、有効求人倍率が上がっている臨床検査技師ですが、決して就職先がないわけではありません。

臨床検査技師の主な就職先は病院・検査センター・健診センターとなっており、特に人気なのが病院です。人気のある病院の求人倍率は、20倍にも及ぶことがあると言われております。

病院の臨床検査技師の募集においては、新卒採用を除き経験者採用が中心となっております。

病院への就職が困難な場合は、健診センターなどで経験を積んでから病院への転職を目指しても良いでしょう。

▼ 臨床検査技師の仕事内容

臨床検査技師の仕事内容

臨床検査技師の主な仕事内容は検査です。医師の指示に従い、患者の血液・尿・便・脳波などを検査します。

また診療の補助として採血なども行うことがあります。

臨床検査技師は、採取した検体(身体組織)を検査する検体検査と、医療機器で患者さんの体を直接検査する生体検査(生理機能検査)の2つに分類されております。

検体検査

検体検査とは、人体から採取した検体に含まれる成分分析や微生物の有無等の検査を行うことです。

この検査は、顕微鏡で直接調べたり画像として投影しながら確認したりします。
検体検査には次のような業務があります。

・一般検査 …尿検査、糞便検査、喀痰検査、髄液検査など
・血液検査 …貧血や炎症の検査など
・病理検査 …がん細胞の検査など
・輸血検査 …血液型や輸血製剤の検査、血液製剤の管理など
・生化学検査 …腎臓や肝臓などの臓器の検査

生体検査(生理機能検査)

生体検査とは、各種心電図や脳波などの検査や超音波や心音図など体の状態を調べる検査のことです。

この検査は、医療機器を用いて体の構造や機能に関する様々な情報、特に循環器・呼吸機能・脳・神経系の状態を調べます。
生体検査には次のような業務があります。

・心電図検査 …心臓の働きやリズムを調べる検査
・血液検査 …血液を利用して貧血や炎症などを調べる検査
・呼吸機能検査 …呼吸器の病気を調べる検査
・脳波検査 …脳の細胞(神経細胞)から出る微弱な電気活動を調べる検査
・神経機能検査 …脊髄や手足など神経の働きを調べる検査

臨床検査技師に向いている人

臨床検査技師に向いている人

検査や分析を行う臨床検査技師は、仕事の性質上、理系の人が適正と言われております。

また検査は幅広い分野のため、生物や科学の豊富な知識と関心のある方が望ましいでしょう。

検査では、病気や異常を正しく診断しなければならないため、的確な観察力・判断力・慎重さが問われてくるでしょう。標本の制作をはじめとした細かい作業を行うことも多いのため、手先の器用な人も望まれます。

また他の医療スタッフとチームを組んで医療に参加することもあるため、チームワークがとても大切になります。

チームワークがとても大切なため、協調性を磨いておこう。

臨床検査技師の将来性について

臨床検査技師の将来性について

臨床検査技師の男女比は男性3割、女性7割になります。

女性が多い理由には、乳がん検診や心電図検査をはじめ、患者の身体に直接触れたり、衣服を脱ぐことがあったりするため、男性の臨床検査技師では抵抗があるからです。

こうしたことから、女性の臨床検査技師を優先的にスタッフとして採用している医療機関も少なからずあります。男性の臨床検査技師には厳しい現実ですが、女性の臨床検査技師には長く安定して仕事が続けられる職業と言えます。

検体検査に関しては、技術の進歩によりAIが中心となることが想定されます。
しかし採血をはじめとした検体を取得する過程や、予防医学の推進による需要から、就職や転職にも有利に働くことが期待されております。

まとめ

まとめ

臨床検査技師の仕事は、早期治療や予防医療に貢献することで大きなやりがいを感じられる職業と言えます。

臨床検査技師の資格は、取得するまである程度の時間を要しますので、短期間で就職できるものではありませんが、医療現場において必要不可欠な存在です。

臨床検査技師は医療系の国家資格であることから、安定して長く働けて人助けができるため、人気の職業となっております。

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