AEDは突然の心肺停止などに効果がありますが、停止している心臓を動かす機器ではありません。不整脈を治療する機械です。
①異常な興奮などで細かく震える心筋の解析を、自動的に行うことができる
②電気ショックで静止状態にできる
AEDを使用した後は、人の手で胸骨圧迫や人工呼吸を行い、心拍の回復を促す必要があります。
例えば心臓発作で人が倒れた場合、AEDを正しく使用することで救命率が向上します。しかし、心停止してから「3分」経過してしまうと、救命率は「50%」になると言われてます。
救急車の手配から到着までは8分程かかるため、何も行わないと救命率は著しく低下します。
救急車の到着までは、AEDを正しく使用し、胸骨圧迫や人工呼吸を行わなければなりません。
音声やランプの指示に従い、誰でも簡単に操作ができるようになっています。
※機種によって電源やボタンの位置は異なる場合があります
①電源を入れる |
AEDの種類によっては開封すれば電源が入るものもあります。 |
②電極パッドを装着する |
倒れている人の上着を取り、1枚を胸の右上に、もう1枚を胸の左下の素肌に直接貼り付けます。 装着時の注意点は、倒れている人の体が濡れている場合は拭き取ること。 また心臓ペースメーカーなど医療機器が埋め込まれている場合は、装着場所を8cm以上離して下さい。 湿布薬や貼り薬がある場合ははがした後に電極パッドを装着しましょう。 |
③AEDの指示に従う |
※ここからは音声で指示してくれます 「心電図の解析中です」と音声メッセージが流れます。AEDが「電気ショックは不要です」の指示があり、倒れている人の反応がなければ、必ず胸骨圧迫をしましょう。この場合は心筋は正常な状態と判断されています。胸骨圧迫で心拍を回復させましょう。 「ショックが必要です」と音声がある場合は電気ショックが必要です。指示通りショックボタンを押しましょう。 ただしこの瞬間には胸骨圧迫をしている人がいる場合は、離すようにして下さい。誰も患者に触れていないことを確認して下さい。 |
④胸骨圧迫 |
電気ショックの後は直ちに胸骨圧迫を再開します。AEDの指示に従い、約2分おきに心肺蘇生とAEDの手順を繰り返します。 このまま処置をしつつ救急隊の到着を待ちますが、AEDのパッドは救急隊が到着するまで貼ったままにしておいて下さい。またAEDの電源も切らないで下さい。 |
AEDの講習はどの地域でも実施されています。公共では消防署が一般的です。管轄のホームページまたは、消防局の救急医療や応急手当などのページ内に掲載されています。
講習は受講内容により実施回数が違いますので、各ホームページで確認してみて下さい。講習費は無料のところが多いです(教材費は別途必要)。
また、スポーツセンターなどでも行われている場所もあります。
他にも日本赤十字社の各支部でも行われています。
一般企業では講習を専門とする会社やAEDを販売する会社、財団などもありますので受けてみてはいかがでしょうか。
AEDは公益財団法人日本心臓財団の日本循環器学会AED検討委員会で設置基準を設けました。現在の厚生労働省の「AEDの適正配置に関するガイドライン」はAED検討委員会の提言をベースに作成されています。
主な設置ガイドラインは、
①駅
公共の場所の中でも心停止発生例が多い場所。
②空港・旅客機
時差による寝不足や、離着陸への恐怖、言葉の壁などによる緊張やストレスから心臓発作を起こしやすい場所。
③学校
特に運動場、体育館、プールでの事故が多く死亡原因の役3割が心臓に起因するものだと言われている。
④スポーツ関連施設
スポーツ中での突然死は比較的若く健康な人に発生することが多い。過度な運動による心臓への負担からもAEDが設置されている。
⑤大規模な商業施設・集客施設
大型ショッピングモールや集客の多い商業施設。
⑥遊興施設
競馬場や競艇場、オートレース場。他にも身近な場所ではパチンコなどの遊興施設。
⑦その他
5年間に1件以上の心停止が想定される場所や施設、常に250人以上が集まる場所。比較的人口が密集するような場所など。
具体的な設置場所を確認するには、日本救急医療財団の全国AEDマップで確認しましょう。