肉離れは急な運動や捻転などが原因で、筋肉や腱が損傷してしまいます。損傷してしまった部分は腫れあがり、赤くなります。
一般の方々は十分な準備運動や日頃のストレッチである程度は予防することができますが、激しい運動をするスポーツ選手は必要以上の力を出そうとしてしまうため、筋肉が損傷だけでなく断裂してしまう場合があります。
主に足の部分に多く発症しますが、肉離れは筋肉組織のある場所すべてに発症する可能性があります。
筋肉痛も肉離れも筋肉に痛みを感じることは同じですが、痛みの内容がまるで違います。
肉離れが筋肉の損傷に対し、筋肉痛は筋肉の疲労とも言えます。
肉離れは運動をする人に限らず、日常の行動においても発症します。
例えば急に立ち上がる場合や、重い荷物を持ち上げたとき、寝違えることも軽度の肉離れにあたります。
主な原因は下記のことが挙げられます。
・準備運動不足 ・筋力不足 ・年齢 ・体質
・代謝が悪い ・血行が悪い ・気温が低い
これらの多くは筋線維の柔軟性が低いことが引き金になっています。
肉離れの症状は3つに分けられます。
段階1(軽症) |
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筋線維が部分的に損傷した状態。痛みはありますが、歩行することは可能です。 |
段階2(中等症) |
筋線維もしくは筋膜が損傷した状態。皮下出血を起こしており強い痛みがあり、歩行することは困難。 |
段階3(重症) |
筋線維の損傷が深く、筋膜も広い範囲で損傷している状態。患部の陥没を確認でき激しい痛みがあり、歩行は不可能。 |
段階1の状態は放置していても1~2週間ほどで回復します。
しかし十分な治療が行われていない場合、再発しやすいので注意が必要です。
肉離れはクセになりやすいとされる症状です。1度発症すると同じ箇所を痛めやすくなります。軽症だからと軽く見るのではなく、早い段階で医師に相談をして下さい。
肉離れの程度にもよりますが、必要に応じて応急処置をしておきましょう。応急処置をすることで痛みを軽減したり、他の病状を引き起こす予防にもつながります。
応急処置の基本『RICE処置』を説明します。
◆RICEはそれぞれの言葉の頭文字を取り、つなげた文字です。
R…Rest(安静・休養)
I…Iceing(冷却・アイシング)
C…Compression(圧迫・固定)
E…Elevation(上げること・高位)
患部を冷やし、動かさず安静にして下さいと言うことです。歩けないほどの肉離れの場合には、患部を心臓よりも高い位置に固定します。また、アイシングは内出血や炎症を抑える効果は期待できますが、筋肉硬直や血流不良を引き起こすマイナスの効果もあります。内出血が治まるようなら必要以上に冷やさない方が良いでしょう。
温熱シートや入浴、マッサージは体を温めることで血行を促進し自然治癒力を高めますが、肉離れの場合には患部へのマッサージは避けて下さい。損傷した筋線維を更に悪化させる原因になります。
整形外科の専門分野は筋肉だけではなく骨や関節の障害にも対応しています。腰痛や脱臼などにも対応しておりますので異常が見られたらすぐに相談をしましょう。