がん細胞が血流から骨に移り増える状態のこと
骨転移は、がん細胞が見つかる時点で診断される人もいれば、がんと診断され、治療中に発症してしまう人もいます。
元々何らかのがんを有している人には、どの部位のがんでも骨転移をする可能性があります。
主に多い部位は、肺がん、乳がん、前立腺がんで多く見られます。
また、全くがんを発症したことのない人でも、骨転移を確認することも稀にあります。
近年では、技術の進歩とがん検診を受ける人が多くなっていることから、がん患者の治療により、長く生きられるようになりました。
症状としては、腫瘍箇所から強い痛みや、麻痺、骨折をしてしまうことがあります。
他にも意識障害や体重減少、口渇などの症状も見られることがあります。
骨転移は、がん細胞が骨に転移することによるものですので、骨転移を防ぐ効果的な方法はありません。
すでにがんと診断されている場合には、早期治療と定期的ながん検診が重要です。
また、がんと診断されていない場合でも、定期的ながん検診を行うことでリスクを最小限に抑えることができます。
他のがんにも共通するように、生活習慣を見直し、暴飲暴食を避け、適度な運動をし、睡眠不足などストレスをためないことががん予防には大切なことです。
治療法においては、下記の方法があります。
● 薬物療法
…元々のがんに対しての抗がん剤治療などに加え、骨転移は痛みが加わり、骨の細胞を壊してしまうため、鎮痛剤で痛みを和らげ、ゾレドロン酸やデノスマブのような骨を強くする薬を用います。
● 放射線治療
…骨転移をしている部位に照射することで痛みを抑えたり、腫瘍を小さくしたりします。
● 手術
…骨転移が原因で骨折してしまい、脊髄の麻痺が切迫している場合には、神経の圧迫を解除する手術を行うこともあります。
骨転移は、日常行動が制限されたり、元々のがん治療の継続が困難になったりする場合がありますが、すぐに命にかかわることはなく、発見が早ければ取り除くことができるともいわれています。
早期発見・早期治療を行い、生活の質を保ち、自分らしい生活を送れることが大切なことだと思います。