頭頸部領域に発生する悪性腫瘍のこと
頭頸部は首から上の構造の総称です。首よりも上の全てを指すため、咽頭（いんとう）や喉頭（こうとう）、口腔、鼻副鼻腔（びふくびくう）など広い領域が対象となります。
頭頸部がんは頭頸部領域に発生したがんのため、耳鼻咽喉科が担当することが多いです。
頭頸部外科の診療科がある場合は、こちらが担当になります。
頭頸部外科は、耳鼻咽喉科医専門医の中でさらに専門性の高い頭頸部がん専門医がいる診療科です。
頭頸部がんのなかでも最も多いのは口腔がんです。次いで下咽頭がん、喉頭がんと続きます。
※日本頭頸部癌学会の2017年報告書より
頭頸部がんの症状は、腫瘍の対象箇所により様々ですが、主な症状としては、口内炎のような症状や喉の違和感・飲み込み難さ、声のかすれなどがあります。
首に痛みのない固いしこりがあることも特徴として挙げられます。
頭頸部がんは食事や会話に関わることが多いため、普段の生活の中で違和感を感じる場合には、医師に相談することをお勧めします。
頭頸部がんの治療法は、外科療法・放射線療法・化学療法・緩和治療（痛みや他の苦痛に対する症状緩和を目的とした治療）などがあります。
頭頸部がんは、喫煙や過度の飲酒を続けることで発症する危険性が高まることが報告されております。
またHPV（ヒトパピローマウイルス）やEBウイルスなどのウイルス感染による報告もされております。
発症は中高年の男性に多い傾向ですが、がんの種類や部位によっては女性や若年者でも発生することがあると言われております。
一番の予防としては、喫煙や過度の飲酒をしないことです。
※参考：科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究より
